2026/05/08
今回の症例は、30代から開始した成人矯正治療の症例です。
歯並びのガタガタだけでなく、上あご自体が前に出ている骨格的な特徴があり、その影響で噛み合わせが深い状態(過蓋咬合)となっていました。
初診時の写真を見ると分かるように、上の歯が下の歯を深く覆い、下の歯がほとんど見えない状態でした。
このようなケースでは、単に歯を並べるだけでなく、深いかみ合わせの改善も考慮しながら治療を進める必要があります。
<初診時>

<治療経過>
◯ バイトアップ装着・上顎にブラケット装置を設置
噛み合わせが非常に深かったため、まず奥歯にバイトアップ(噛み合わせを一時的に高くする装置)を装着しました。
この症例では、上の歯で下の歯がほとんど見えないほど噛み込みが深く、そのまま矯正装置をつけると、ブラケットに下の歯が当たり外れてしまうリスクがありました。
そこでバイトアップを用い、噛み込みの深さを調整しながら、本来の正しい噛み合わせに近づける準備を行いました。
※バイトアップは個人差はありますが、1〜2週間ほどで慣れる方が多いとされています。
◯上顎の移動の様子を見ながら下顎にブラケット装置を設置
上顎の歯の動きによって、下顎の歯並びの調整方法が変わるため、下顎のブラケット装置は上顎の動きを慎重に確認しながら段階的に歯を移動させました。

<治療後>

<口元の変化>

症例詳細
■主訴
歯並びガタガタしている。噛み合わせが深い。
■主な矯正装置
セルフライゲーションブラケット装置(クリッピーC)
顎間ゴム、IPR バイトアップ
■治療期間
約2年
■費用
約750,000円
別途、処置料がかかります。
■抜歯
なし
■考えられるリスク等
・最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2週間で慣れることが多いです。
・歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
・装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
・治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりする事が重要です。また、歯が動くと隠れていた虫歯が見えるようになることもあります。
・歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
・ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
・ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
・治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
・治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
・さまざまな問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
・歯の形を修正したり、噛み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
・矯正装置を誤飲する可能性があります。
・装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
・装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
・装置が外れた後、現在の噛み合わせにあった状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
・あごの成長発育により噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
・治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせると噛み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になる事があります。
・矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
成人からの矯正治療は、今の歯を残すための将来の投資として検討される方も増えています。矯正治療により、歯並び・かみ合わせが正しくなると、歯磨きがしやすくなるため、歯周病やむし歯のリスクも減らすことが期待できます。矯正治療によって、患者様のQOL(生活の質)がアップするのは私たちも大変うれしい限りです。
症例ブログを今後も掲載していきます。矯正無料相談はLINEまたはお電話にて承ります。
